情報基準日:2026年9月9日
BlackBerryは、物理キーボード、安全な通信、プッシュメールで企業と専門職の標準になりました。2011会計年度には5,230万台のスマートフォンを出荷し、売上高は199億ドルに達しています。それほど強い企業が、なぜ数年でスマートフォンの主役から退いたのでしょうか。


キーボードに固執したから負けたの?

Z10は全面タッチだった。話はもっと複雑だぜ。
結論:強みを捨てられなかったのではなく、次の基盤への移行が遅れた
旧稿の「最後まで物理キーボードに固執した」という説明は正確ではありません。BlackBerryは2013年に全面タッチのZ10を投入し、その後はAndroid端末も試しました。変化しなかったのではなく、変化が市場の速度に追いつかず、移行のたびに既存の強みと新しいアプリ基盤の両方を十分に生かせなかったのです。
iPhoneとAndroidが広げたのは、タッチ画面だけではありません。消費者向けアプリ、開発者、広告、クラウドサービス、写真や動画を中心とする利用へ競争軸が移りました。BlackBerryの安全なメールとキーボードは価値を保っても、スマートフォン全体を選ばせる条件ではなくなりました。
全盛期の強みは本物だった
BlackBerryは、端末、独自ネットワーク、サーバー、企業管理を一体で提供しました。メールが即座に届き、物理キーボードで素早く返信でき、企業側は端末を管理できます。通信量を抑える設計も、回線が遅く高価だった時代には合理的でした。
Research In Motionの2011会計年度発表では、スマートフォン出荷は前年比43%増の5,230万台、売上高は33%増の199億ドルでした。衰退前のBlackBerryは、過去のブランドだけで生きていたのではありません。
参考:Research In Motion 2011会計年度決算発表(5,230万台、199億ドル)

成功した仕組みが、急に無意味になったの?
無意味にはなっていません。しかし市場が拡大し、スマートフォンが仕事用メール端末から、アプリ、Web、写真、動画、ゲームのコンピューターへ変わりました。従来の強みを守るだけでは、新しい購入理由を満たせなくなったのです。
iPhoneが変えたのは入力方法より開発の中心

全面タッチは大きな変化でしたが、より重要なのは、大画面をアプリごとに自由に使えることと、開発者が消費者へ直接配布できるストアです。人気アプリが利用者を呼び、利用者が開発者を呼ぶ循環が生まれました。
BlackBerryにもアプリはありましたが、iOSとAndroidへ投資が集中すると、同等アプリの提供時期や機能で差がつきます。企業利用者も私生活では消費者向けアプリを使うため、「仕事に安全」だけで一台を選ぶ境界が崩れました。
BlackBerry 10とZ10は変化の試みだった
2013年のBlackBerry 10とZ10は、ジェスチャー操作と全面タッチを採用した再出発でした。物理キーボードを捨てられなかったという説明では、この事実と矛盾します。
問題は、完成までに時間がかかり、その間にiOSとAndroidのアプリ・端末・利用者が増えたことです。新OSを投入した時点で、良い端末を作るだけでなく、既存二陣営から利用者と開発者を同時に移す必要がありました。

方向転換はした。でも坂が急になっていたんだな。
売れ残りが財務へ表れた
BlackBerryはBlackBerry 10端末に関して大きな在庫費用を計上しました。SEC提出資料ではZ10 Inventory Chargeとして9億3,400万ドルが示されています。これは単なる評判ではなく、需要予測と供給のずれが財務へ達した証拠です。
旧稿にあった「2015年に13億ドルの赤字」といった数字は、対象期間や指標が不明確なため採用しません。純損失、営業損失、在庫評価損、リストラ費用を混ぜず、主張に対応する数字だけを使います。
Android採用でも循環は戻らなかった
BlackBerryは後にAndroid搭載端末を投入し、アプリ互換性の問題を小さくしようとしました。しかしAndroid市場にはSamsungなど多数のメーカーがすでに存在し、規模、価格、カメラ、流通で競争する必要があります。
安全性とキーボードは差別化になっても、販売台数が小さければ独自ハードウェアを継続する費用を支えにくくなります。2016年9月、同社は社内でのハードウェア開発を終え、パートナーへ委ねる方針を示しました。

Androidにすれば自動で復活、ではなかった。
端末サービスは2022年に終了した
BlackBerryは2022年1月4日、BlackBerry 7.1 OS以前、BlackBerry 10、PlayBook OS 2.1以前に関する従来サービスを終了しました。通信事業者回線やWi-Fi経由でも、データ、通話、SMS、緊急通報を含め、端末が確実に機能しなくなる可能性があると案内しています。
したがって、古いBlackBerry端末を現在の主端末として使うことは勧められません。電源が入り、ローカル機能が動く場合でも、通信、安全性、アカウント、電池、修理の条件は現行端末と異なります。
出典:BlackBerry 10 and BlackBerry OS Services FAQ
BlackBerryは会社ごと消えたわけではない
スマートフォンから退いたことと、BlackBerryという会社の消滅は別です。現在の同社は、安全な通信とQNXを中心とするソフトウェア企業です。公式サイトではQNXが2億7,500万台超の車両に搭載されていると説明しています。
これはスマートフォン事業の復活ではありません。端末で培った安全性や組み込み技術を、政府、重要産業、自動車へ移したものです。
まとめ:成功した強みが、次の市場では一要素になった
BlackBerryは物理キーボードに固執して何もしなかったのではありません。全面タッチのZ10、新OS、Android端末まで試しました。しかし変化が遅れ、新しいOSを出す頃には、アプリと利用者がiOS・Androidへ集まる循環が強固になっていました。
安全な通信、端末管理、素早い文字入力という強みは本物でした。失敗は、その強みがスマートフォンを選ぶ十分条件ではなくなった後、次の基盤へ利用者と開発者を移す速度を作れなかったことです。同社は端末を離れ、強みをソフトウェアへ移すことで存続しました。
本記事の霊夢・魔理沙は東方Projectの二次創作です。原作:上海アリス幻樂団/使用素材:うさ義式(うさ義様)。BlackBerryおよび原作公式とは関係ありません。素材の確認先


コメント