制度確認日:2026年9月11日/受験体験:2026年6月22日・京都府
狩猟免許を取りたいと思っても、最初は「わな猟と銃猟のどちらを選ぶのか」「試験では何をするのか」「免許を取ればすぐ狩猟できるのか」が分かりにくいものです。
結論からいうと、狩猟免許は猟法ごとに4種類あり、試験に合格しただけでは実際の狩猟は始められません。狩猟する都道府県での狩猟者登録が必要で、銃猟の場合は狩猟免許とは別に銃の所持許可も必要です。
本記事では全国共通の制度を整理したうえで、京都府で第一種銃猟免許試験を受けた実体験を、当日の流れ、鳥獣判別、距離の目測、模擬銃の取り扱いまで具体的に紹介します。
狩猟免許は4種類ある
環境省によると、狩猟免許は使用する法定猟具に応じて4種類に分かれます。自分が捕獲したい鳥獣だけでなく、活動地域、見回りに使える時間、猟具の保管や維持にかかる負担から選ぶ必要があります。
| 免許 | 使用できる主な猟具 | 選ぶときの注意点 |
|---|---|---|
| 網猟免許 | むそう網、はり網、つき網、なげ網 | 対象鳥類や使用方法が限られるため、実際の活動先を先に確認する |
| わな猟免許 | くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな | 設置後の見回り、錯誤捕獲への対応、止め刺し、運搬まで考える |
| 第一種銃猟免許 | 装薬銃。空気銃も使用可能 | 別途、銃の所持許可と厳格な保管・更新・射撃練習が必要 |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃 | 別途、銃の所持許可が必要。対象や猟場との相性を確認する |
制度上使用できる猟具の整理は、環境省「狩猟制度の概要」を参照しています。
免許を取っただけでは狩猟できない
狩猟を始めるまでの手続きは、免許試験だけでは終わりません。一般的には次の順番で進みます。
- 自分の目的に合う猟法と免許区分を決める
- 住所地の都道府県が実施する狩猟免許試験へ申し込む
- 知識試験、適性試験、技能試験に合格して狩猟免許を取得する
- 実際に狩猟する都道府県で狩猟者登録を行う
- 狩猟税を納付し、保険・共済など必要な条件を整える
- 猟期、対象鳥獣、捕獲数、禁止区域、猟法の制限を確認する
第一種・第二種銃猟免許を選ぶ場合は、さらに都道府県公安委員会による銃の所持許可が必要です。狩猟免許は「その猟法で狩猟するための資格」、銃の所持許可は「特定の銃を所持するための許可」であり、同じ手続きではありません。
環境省も、狩猟免許の取得後、狩猟をする都道府県で狩猟者登録を行い、区域・期間・猟法などの制限を守る必要があると案内しています。狩猟鳥獣であっても、都道府県独自の禁止や捕獲数制限が設けられることがあります。
狩猟免許試験の申込みで意外に困ったのが診断書
私が狩猟免許試験へ申し込む際、想像以上に手間がかかったのが医師の診断書でした。すべての医療機関が狩猟免許や銃関係の診断書作成に対応しているわけではなく、問い合わせても受け付けてもらえないことがあります。
私の場合、狩猟免許の申請用として約5,000円の診断書を1枚取得しました。これとは別に銃の所持許可申請でも診断書が必要だったため、最終的には2枚で約1万円かかりました。狩猟免許だけを受験する場合、私の事例では診断書1枚、約5,000円です。
これは京都府での私個人の実費であり、全国共通の料金ではありません。受診料、診断書料、検査内容は医療機関によって異なります。申請期限の直前に探し始めると間に合わない可能性があるため、募集要項を確認した段階で、対応可能な医療機関へ電話で問い合わせておくことを勧めます。
猟友会の事前講習は受けた方がよい
私は猟友会が主催する事前講習を受講しました。第一種銃猟では、模擬銃と空気銃に実際に触れながら、点検、分解、結合、装填・脱包の動作、射撃姿勢、銃の受け渡しなどを練習できました。
銃を所持していない受験者が、別の方法で試験用の操作を練習するのは簡単ではありません。動画や文章で順番を覚えても、銃を持ち替える動作、薬室を見る角度、他人へ銃口を向けない体の動かし方は、実物に近い器具を扱わないと理解しにくい部分があります。
講習は法律上の必須手続きとは限りませんが、少なくとも第一種銃猟を初めて受験する人には、参加する価値が大きいと感じました。講習名、申込方法、開催主体、費用は地域によって異なるため、都道府県や地域の猟友会へ確認してください。
勉強期間は1週間でも対応できたが、余裕を見るなら2~3週間
私の事前勉強は、1日約30分を1週間ほどでした。この勉強量で合格できましたが、もともとの知識、受験区分、記憶の得意不得意で必要時間は変わります。安心して受験したいなら、試験の2~3週間前から始める方がよいでしょう。
知識試験対策では「狩猟免許試験例題集」が特に有用でした。実際の試験も、出題範囲や問い方が例題集にかなり近いと感じました。一方、「狩猟読本」は制度、安全、鳥獣、猟具をまとめて理解する資料として使いました。
例題の答えだけを暗記するのではなく、誤った選択肢がなぜ誤りなのかまで確認しておくと、少し聞き方が変わった問題にも対応しやすくなります。
京都府で受けた第一種銃猟免許試験の一日
ここからは、2026年6月22日に京都府で受験したときの記憶です。受験者数や会場運営によって順番が変わる可能性があるため、「京都府で行われた一つの事例」として読んでください。
午前:知識試験
午前中に知識試験が行われました。私には全体としてかなり易しく感じられ、15~20分程度で一通り解けました。ただし、すぐには判断できず、1~2問ほど迷う問題がありました。
簡単に見えても、迷った一問へ時間を使いすぎる必要はありません。先に確実な問題を解き、最後に戻って確認する方が落ち着いて進められます。
午後:知識試験の合格発表と適性試験
昼の時間を挟み、午後に知識試験の合格発表がありました。その後、適性試験へ進みました。
運動能力の確認では、数人が横一列に並び、指示に従って腕を上げたり、手を握ったり開いたりしました。激しい運動をする試験ではありませんでした。視力や聴力などを含む具体的な検査内容と基準は、受験年度の公式案内を確認してください。
技能試験は人によって順番が異なった
鳥獣判別、距離の目測、猟具の取り扱いは、数人ずつ呼ばれ、空いている試験から受ける形でした。そのため、受験者によって3試験の順番は異なっていました。
待ち時間が発生しても、次がどの試験になるか決めつけず、鳥獣、距離、銃の手順をどれも確認できるようにしておくと安心です。
鳥獣判別は約16問。分からなくても止まらない
私の受験時は、試験官3人がいる部屋へ受験者10人程度が入りました。準備が整うと、前方の試験官が動物の絵を描いた横長の紙を掲げました。紙は体感で40cm×70cmほど、表示時間は一問あたり11秒程度だったと記憶していますが、この寸法と秒数は記憶に基づく概算です。
狩猟鳥獣であれば名前を書き、非狩猟鳥獣であれば×印を付けます。雌雄によって狩猟できるかが変わる種類では、狩猟できる性別なら名称と雌雄を書き、狩猟できない性別なら×印を付けました。問題数は全部で16問程度でした。
一枚の表示時間は短く、分からない問題を考えている間にも次の絵が出ます。迷ったら一度先へ進み、最後まで空欄のままにするより、判断できないものには×印を付けておくという対応を取りました。ただし、採点方法や解答方法は会場の説明を優先してください。
試験対策では狩猟鳥獣を重点的に覚えた
鳥獣判別では、非狩猟鳥獣の名称まで答える必要がありませんでした。そこで私は、「狩猟読本」冒頭付近に掲載されている狩猟鳥獣を重点的に覚え、それ以外は×印と判断する方法で対策しました。
限られた勉強時間で試験へ対応する方法としては効率的でした。ただし、これはあくまで筆記・技能試験対策です。実際の狩猟では、誤射や違法捕獲を防ぐため、対象鳥獣と似た非狩猟鳥獣、雌雄、幼獣まで確実に識別できなければなりません。
距離の目測は10m・30m・50m・300m
距離の目測では、道路上に色の異なる旗・のぼりが複数立てられており、その中から10m、30m、50m、300mに相当するものを選びました。
対策では、まず10mがどの程度に見えるかを、自分の目線の高さや周囲の物との関係で覚えておくと比較しやすくなります。そこから3倍、5倍、遠距離という感覚を作ります。
試験中に実際に歩いて測ることはできませんでした。事前に安全な場所で、距離を測ったうえで見え方を確認しておく必要があります。道路など危険な場所で練習せず、許可を得た安全な場所を選んでください。
猟具の取り扱いは、操作手順より安全確認が重要
猟具の取り扱いは、試験官3人がいる部屋へ受験者1人で入りました。横の机には自動式、上下二連、水平二連の模擬銃があり、その中から自由に選べました。私は選んだ銃を部屋中央の机まで運びました。

最初に約1分の自由時間があり、銃に触れながら手順を確認できました。不安な操作を頭の中で再現し、確認事項を小声で口に出して整理することもできました。この自由時間の有無や長さは会場によって異なる可能性があります。
模擬銃で行った一連の操作
- 「点検してください」の指示で銃を点検する
- 「分解してください」の指示で分解する
- 「結合してください」の指示で結合する
- 実包を装填する想定で、室内に掲示された狩猟鳥獣へ射撃姿勢を取る
- 指示に従って射撃姿勢を解く
- 「脱包してください」の指示で弾をすべて抜く
- 合図を受けて銃を元の机へ戻す
室内には複数の動物の絵が掲示されており、その中から狩猟鳥獣を選んで狙う必要がありました。ここでも鳥獣判別の知識が必要になります。
圧縮空気銃の操作
続いて圧縮空気銃を扱いました。「圧縮してください」という指示で3回圧縮し、「弾を込めるふりをして、射撃姿勢を取ってください」と言われた後、装填する動作だけを行って壁の絵へ射撃姿勢を取りました。
その後、「発砲してください」の指示で引き金を引き、「射撃姿勢を解いてください」の指示で姿勢を解きました。実際の指示文や操作回数は、試験官の説明に従ってください。
集団行動
私の場合は2人で行いました。後から部屋に入ってきた受験者が個人試験を受けるのを見た後、その人と一緒に集団行動へ進みました。ここでも銃を自由に選べ、先ほどとは別の種類を選ぶこともできました。
2人で横に並び、「左向け左」「回れ右」などの指示に従って動きます。方向転換の際は他人へ銃口を向けないよう、銃口を一度上へ向け、動き終えてから安全な下方へ戻しました。
銃の受け渡し
2人が向かい合い、1人だけが銃を持った状態から始めました。渡す側は薬室内を確認してから相手へ渡します。受け取る側は「よし」と声を出し、自分でも薬室内を点検しました。その後、役割を交代して同じ操作を行いました。
銃を持ったまま座る・立つ
最後に2人とも銃を持ち、「座ってください」という指示を受けました。薬室内を点検してから、銃口を安全な下方へ向けたまま腰掛けます。銃口は地面へ接触させません。立ち上がる際にも薬室内を点検しました。
この一連の操作が終わると、私の猟具取り扱い試験は終了しました。
実技で意識した6つのこと
試験官は「点検してください」「分解してください」など、次に行う操作を明確に伝えてくれました。すべてを先回りして行うより、指示を聞き、大きく返事をして、指示された操作を確実に行うことが大切です。
- 指示には大きく返事をする
- 薬室確認など、自分が行っている操作を声に出す
- 射撃を指示された場面以外では引き金へ触れない
- 試験官や他の受験者へ銃口を向けない
- 操作の前後で迷ったら、安全側に薬室を確認する
- 間違えたら黙って続けず、「間違えたのでやり直します」と伝える
私は、必要か迷った安全確認は行うようにしました。ただし、実際の試験では試験官の指示を遮ったり、許可されていない操作を勝手に進めたりせず、指示と講習で習った手順を優先してください。
第一種銃猟免許が向いている人と、急がない方がよい人
検討しやすい人
- 鳥猟や銃を使ったシカ・イノシシ猟など、具体的な目的がある
- 地域の猟友会や経験者から実技指導を受けられる
- 銃の所持許可、保管設備、更新、検査、射撃練習の負担を受け入れられる
- 安全確認を習慣として繰り返せる
いったん見送る方がよい人
- 銃を使って何を捕獲したいのか決まっていない
- 所持許可や保管の条件を確認していない
- 講習や射撃練習へ継続して通う時間を確保できない
- 指導者や活動地域が見つかっていない
試験に合格することと、安全に狩猟を続けることは別です。まず活動したい地域で、どの鳥獣をどの猟法で捕獲するのかを決め、地域の経験者へ相談してから免許区分を選ぶ方が無駄を減らせます。
まとめ:筆記より、準備と安全動作に時間を使う
私が京都府で第一種銃猟免許試験を受けた範囲では、知識試験は例題集を使って準備すれば難しくありませんでした。一方、鳥獣判別は短時間で判断する練習が必要で、模擬銃や空気銃の取り扱いは、猟友会の事前講習で実際に触れた経験が大きく役立ちました。
申込みでは診断書を発行できる医療機関探しに時間がかかる場合があります。試験対策だけでなく、申請書類、診断書、講習日程まで早めに確認してください。
そして、狩猟免許を取得しても、狩猟者登録や区域・猟期の確認が必要です。銃猟では別途、銃の所持許可も必要になります。免許取得をゴールにせず、安全に活動を始められる条件まで整えておくことが重要です。
主な制度資料:環境省「狩猟制度の概要」。試験当日の記述は筆者の記憶に基づく2026年6月22日の京都府での受験体験であり、京都府の試験全体や他会場で同じ運用を保証するものではありません。


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