8136 / SANRIO · 企業リサーチ
対象:2026年4~6月。海外子会社は原則2026年1~3月。以下の前年同期は2026年3月期1Qです。
| 最新四半期 / 億円 | 前年1Q | 今回1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 431.0 | 520.4 | +20.7% |
| 営業利益 | 202.0 | 224.4 | +11.1% |
| 経常利益 | 202.1 | 226.2 | +12.0% |
| 親会社株主帰属純利益 | 141.9 | 155.2 | +9.3% |
| EPS / 円 | 11.96 | 12.80 | +7.0% |
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サンリオ決算の結論:成長は継続、費用増を吸収する力が次の焦点
ロイヤリティ売上が23.0%増え、物販・その他も18.5%伸びました。通期計画に対する営業利益の進捗は25.1%。増収を利益に結びつける力は高く、現時点では通期計画に沿ったスタートと評価します。
営業利益率は前年同期の46.9%から43.1%へ低下しました。粗利益率の低下と販管費増が、増収効果の一部を吸収しています。さらに、1Qに予定した販管費約20億円が2Q以降へずれました。今後の決算では、この費用を計上しながら利益成長を維持できるかが判断の軸になります。
注目数字:営業利益は22.4億円増加
| 利益の変化 / 億円 | 前年1Q | 今回1Q | 差額 |
|---|---|---|---|
| 売上総利益 | 347.7 | 406.8 | +59.2 |
| 販管費 | 145.7 | 182.5 | +36.8 |
| 営業利益 | 202.0 | 224.4 | +22.4 |
売上総利益は59.2億円増え、販管費の36.8億円増を上回りました。一方、粗利益率は80.7%から78.2%、販管費率は33.8%から35.1%へ変化。売上構成、海外との連結調整、成長投資を含む費用増の影響を分けて追う必要があります。
会社が併記する「連結子会社の決算期相違による連結調整前営業利益」は220.8億円、21.8%増です。前年の調整は会計上の営業利益を20.7億円押し上げ、今回は3.6億円の押し上げでした。この差が会計上の増益率を抑えています。事業の勢いを確認する補助指標として有用ですが、図表の営業利益には一貫して会計上の数値を使います。
EPSは12.80円で7.0%増。純利益の9.3%増より小さいのは、期中平均株式数が約11.87億株から約12.12億株へ2.2%増えたためです。潜在株式調整後EPSは12.75円でした。
事業構造:キャラクターを商品と利用許諾で収益化
| 収益経路 / 億円 | 今回1Q | 前年同期比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| ロイヤリティ | 268.4 | +23.0% | 51.6% |
| 物販・その他 | 252.0 | +18.5% | 48.4% |
ロイヤリティは、他社が商品やサービスにキャラクターを使う対価です。ライセンシーの販路を通じて展開を広げられるため、自社で商品を販売する事業より在庫負担を抑えやすい収益モデルです。物販・その他には直営店の商品販売やテーマパークなどが含まれ、ファンがキャラクターに触れる機会も生みます。
会社は、幅広いキャラクターの浸透と、採用される商品カテゴリーの拡大を成長要因に挙げています。日本の外部顧客売上は294.2億円で約20%増。欧州の拡大も続く一方、北米の会計上の営業利益は約20%減少しました。国内と海外では連結対象期間が3か月ずれるため、地域の増減は同じ暦の景況感として一括りにせず確認します。
財務:ネットキャッシュ1,235.0億円の余力
| 財政状態 / 億円 | 2026年3月末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,346.8 | 2,477.1 |
| 自己資本 | 1,557.9 | 1,631.7 |
| 自己資本比率 | 66.4% | 65.9% |
| 現金及び預金 | 1,254.3 | 1,360.7 |
| 有利子負債 | 139.4 | 125.6 |
| ネットキャッシュ | 1,115.0 | 1,235.0 |
現預金が増え、有利子負債が減少しています。成長投資と株主還元を支える財務余力は十分です。ネットキャッシュは会社定義の「現金及び預金-有利子負債」で、有利子負債には転換社債型新株予約権付社債を含みます。
直近の通期である2026年3月期は、営業キャッシュフロー525.5億円、投資キャッシュフロー−208.6億円。合計は317.0億円のプラスでした。投資CFには定期預金の預入・払戻も含まれます。今回の1QはCF計算書が未作成のため、現預金の増加をそのまま1Qの営業CFとはみなしません。
通期計画:営業利益895億円へ25.1%進捗
| 億円 | 1Q実績 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 520.4 | 2,298.0 | 22.6% |
| 営業利益 | 224.4 | 895.0 | 25.1% |
| 経常利益 | 226.2 | 902.0 | 25.1% |
| 親会社株主帰属純利益 | 155.2 | 638.0 | 24.3% |
通期達成に必要な2Q~4Qの合計は、売上高1,777.7億円、営業利益670.7億円です。前年の同期間に対して、それぞれ約17.7%、16.3%の成長が必要になります。1Qの営業増益率11.1%より高い伸びが求められますが、連結調整前の営業利益は1Qに21.8%伸びています。
当サイトの見通しは、売上成長が続けば計画達成を狙える一方、1Qの利益を4倍するだけでは通期を見積もれない、というものです。上期会社計画から1Q実績を引くと、2Q単独の営業利益は198.7億円、前年2Q比約4.6%増に相当します。費用の期ずれを吸収する過程は、まずこの上期計画との比較で確認します。
通期予想EPSは52.62円、年間配当予想は16円。2026年4月の1対5株式分割をそろえると、前期配当69円は13.8円に相当し、今期予想は約15.9%の増配です。
次回決算で判断を更新する3点
- 成長の持続:ロイヤリティと物販がともに伸びるか。売上の地域差と為替の影響も確認。
- 費用の吸収:後ろ倒しの販管費を計上した後の営業利益と、上期計画423億円への到達度。
- 利益の現金化:中間期の営業CF、売上債権・棚卸資産の増減、現預金と有利子負債。
将来の評価は公開資料を基にした当サイトの分析です。会社予想と実績を区別して掲載し、新しい決算の確認時に結論・図表を更新します。
出典・集計方法
- 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-08-10公表)
表紙、添付1~2・6~8・12頁。最新損益、会社予想、貸借対照表、EPS。 - 2027年3月期 第1四半期決算説明資料(2026-08-10公表)
2・3・13~16・18~19頁。費用の期ずれ、地域別、ネットキャッシュ、連結調整の定義。 - IR DATA(FY3/2023–FY3/2027)(2026-08-10公表)
連結業績5~14行。四半期単独の損益、売上構成。利益率は営業利益÷売上高で再計算。 - 2026年3月期 決算短信(2026-06-23公表)
表紙、連結キャッシュ・フロー計算書。2025・2026年3月期の通期実績。 - 2025年3月期 決算短信(2025-05-13公表)
表紙。2024・2025年3月期の通期実績、株式分割注記。
金額は日本基準・連結、原則億円。百万円値を基に四捨五入。増減率は原則会社開示値、利益率・進捗率・必要成長率は当サイト計算です。四半期は公式IR DATAの単独値を使用し、通期は短信を優先。百万円未満の切捨てにより四半期合計と通期が一致しない場合があります。2024年3月期は2023年4月~2024年3月が対象。海外子会社は原則3か月前の決算を連結します。


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